イスタンブールは珍しく蒸し暑い日が続いています。室内干しの洗濯物がなかなか乾きません。
今日は珍しく雨も。朝から降ったりやんだりのおかしな天気でした。
日本でもトップニュースで報道されたそうだけど、イスタンブールではまたテロが起きてしまいました。皆落ち込むと同時にそれ以上に腹も立てています。でもこの怒りの矛先はどこへ…。やりきれない気持ちでいっぱいです。
近所を歩いていても大型トラックばかり、先日も瓦礫を山盛りに載せられたトラックからコンクリートが落ち、女性が亡くなったそうで。テロもだし、建設ラッシュも。もうどこにいても安全は保障されないな…と思わされます。
それでも日常はいつもと変わらず続いているし、そうやって毎日を生きていかないといけません。事故や事件を見る度に、「子どもたちだけでも安全無事に生きてほしい」と思ってきましたが、最近は子供たちのためにも私も無事に生きていたいと強く願うようになりました。こんなにも強く「生きたい」と思ったのは初めてです。
日本へ引っ越すまであと12日になりました。
荷造りは全く何もしていないけれど、明日はいよいよ車も売ってしまいます。
アンネは今もまだ日本移住には心の底から賛成はしていないので、かなり落ち込んで寝込んでしまいそうなほどです。一人息子が遠いところへ行ってしまうんだから…当然です。
「どうして。何もかもそろっているこの家を捨てて行ってしまうの。私も一人になってしまう」と。ムっちゃんには怖くて直接言えないので、ムっちゃんがいない間にこっそり心の内を打ち明けてくるアンネ。今日は涙も流して、私は胸が痛むばかり…。私もトルコが好きでやって来たので、日本へ移住するというのが楽しみ以上に不安だったりします。でも、子どもたちのことを考えてムっちゃんと決めたこと。それぞれの夫婦、家族がそれぞれの考えを持って生きている。私たちは私たちの考えを選んだだけのこと。毎日のようにムっちゃんのいない隙にアンネに強く訴えられると、私の心は「イスタンブールでの生活が難しいなら、アダナへ引っ越してアダナで生きてもいいかもしれない」とまだ揺らいでしまうけれど。
今日はテロの影響もあってか、ますます落ち込みがちのアンネに頼まれて薬局へ抗鬱剤を買いに行きました。そこで立ち話。トルコの現状と海外へ引っ越すことについて、薬剤師さんと他のご近所さんたちと討論。皆が「頑張れ!」と応援してくれます。日本行きを反対する人はこれまでも誰もいませんでした。
ご近所さんの一人が「こんな抗鬱剤なんて飲まなくてもいいのよ!考えすぎがいけない。ストレスのせいで病気になるんだから!私だって、かかりつけの医者が死んだせいで薬を飲まなくなったけど、それからも20年は生きているわ!」と。
子供たちのこと、自分のことも、そしてムっちゃんのことも。心配することはたくさんあってキリがないけれど。
日本へ行くからにはアンネのためにもここにいる以上に幸せにならないといけない、幸せになりたいと思います。